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2017年12月29日のマーケット・コメント

2018年の展望

 

今週は、クリスマス休暇が明けても特段の材料のない中、薄商い小動きが続きました。年内最終営業日の本日は、来年の展開を考えたいと思います。

 

大局観として言えることは、世界的に金利が低位安定推移する中で企業業績が安定成長し株価はじり高を続けるという、現在のゴルディロックス(適温)相場は、ボラティリティ上昇を伴って下落するまで続くが、一旦終わってしまったら元には戻らない、ということです。つまり、高値からある程度の範囲の下落なら押し目買いは有効だが、ある程度以上の下落はゴルディロックス相場の終了、すなわち上昇トレンドから下落トレンドへの転換を意味し、下落は押し目ではなく順張りで下落に追従しなければならない、ということです。

 

世界の株式市場を牽引しているのは明らかに米国株ですので、米国株が「ある程度」を越えて下落するようなら、トレンド転換と考えるべきでしょう。米国株以外の市場が「ある程度」を越えて下落しても、米国株が踏みとどまっているようなら、それはトレンド転換と考えるべきではありません。その「ある程度」ですが、具体的には「直近高値から5%程度の下落」が目処となると考えます。

 

何のきっかけもなく唐突に下落が始まり、下への値動きがリスク許容度低下に繋がり、更なる下落を生む、という可能性もありますが、何らかのきっかけがあって下落波動が始まる、という可能性が高いと思われます。そこで現時点で考えられる「きっかけ」になる可能性がある事項を考えます。もちろん、現時点では見えていないことが「きっかけ」になる可能性もあります。

 

-中国の過剰債務問題が顕在化する。具体的には、中国企業発行の社債や中国地方政府発行の地方債のデフォルトが相次ぐ。

-米国でインフレ懸念が高まり、長期金利が上昇。FRBの利上げペースが加速する。(イールドカーブ全体が上昇。)

-米国でインフレ懸念が出てこない中でFRBによる利上げが進み、イールドカーブのフラットニングが進み、逆イールド懸念が出てくる。(逆イールド=短期金利水準が長期金利水準を越えた状態)

-米国による北朝鮮攻撃やエルサレム問題による大規模テロなど、地政学リスクの顕在化。

-南米諸国などのデフォルトによる世界的信用収縮と金融危機懸念再燃。

 

2017年もお世話になりました。2018年もどうぞよろしくお願いいたします。