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2017年2月15日のマーケット・コメント

イエレンFRB議長議会証言

 

昨日、米国の上院銀行委員会で、イエレンFRB議長が証言を行ないました。その内容は「利上げに当たって財政政策の計画を待つ必要はない。米国経済の力強い前進こそ、FRBの政策決定を主導する要因だ。緩和解除を長く待ちすぎるのは賢明ではない。待ちすぎればFOMCは最終的に急速なペースでの利上げを迫られる可能性があり、金融市場を混乱させ経済をリセッションに追いやる恐れがある。」と、トランプ政権の財政政策がどのようなものになるかとは関係なく、着実な利上げを実行していく意思を表明しました。

 

今回の証言内容は、これまでよりも一歩タカ派寄りに修正された印象であり、証言を受けて市場の反応はドル高、金利上昇(債券安)となりました。今後「米国経済の力強い前進」という見方を変えるほどの弱い経済指標発表が相次がない限り、市場は「今年2-3回の利上げ実行」という見方を変えないと思われ、米ドルの下支え要因、長期金利の低下抵抗要因となっていきます。

 

ただ、今回の証言を受けても、FFレート先物から逆算される「3月15日FOMCでの利上げ確率」は、30%から34%へと微増に留まっており、ドル円が115-115.50円の抵抗ゾーンを越えて円安ドル高進行するには、3月3日発表の雇用統計が非常に強いなどの追加材料が必要だと思われます。今週末発表の2月14日時点のシカゴ筋ポジション次第ですが、円ショートが大きく減少しているとは思えないため、需給整理は円高ドル安要因です。ドル円は当面、110-115.50円のレンジ推移を予想します。

 

ところで、1月25日付けコメントでご説明した東芝(6502)が、いよいよヤバイことになってきました。半導体会社の過半数の株を売却することも辞さず、ということですが、全社の営業利益の80%以上を稼ぐ部門を手放したら、残るものは・・・。背に腹は変えられない、のでしょうが・・・。