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2017年2月28日のマーケット・コメント

3月利上げの可能性

 

昨日の米国市場では、良好とは行かないまでも堅調な内容の耐久財受注が発表され、その後、今年のFOMCで投票権を持つカプラン・ダラス連銀総裁が「FOMCは市場の期待を深読みすべきではない」と発言したことを受けて、米ドル上昇、長期金利上昇となりました。カプラン総裁の発言の背景には、「過去25年間、FFレート先物から逆算される利上げ確率が50%以下だった時に、利上げしたことはない」という、債券市場で最近台頭している見方に釘を刺し、決め付けてはいけないことを示唆する意図だったのでしょう。

 

2月14、15日のイエレン議長の議会公聴会での発言を始め、2月に多数のFRB高官から、利上げに加えバランスシート縮小開始議論に関して、前向きな発言が相次いだにもかかわらず、3月利上げ確率は30%台で推移してきました。FOMCは、もし3月3日の雇用統計など今後発表される経済指標次第では3月利上げもあり得る、と考えていることが、今回のカプラン発言で明らかになったといえるでしょう。発言を受けて3月利上げ確率は50%に上昇しました。

 

3月6日からFRB高官が発言できない期間、いわゆるクワイエット・ピリオドに入りますので、今週中の高官発言と今後の経済指標に注目です。現在のところは3月利上げ確率は、まさに市場が織り込んでいる通り50%で、雇用統計でどちらかが決まる、と考えます。

 

NYダウはついに12日連続最高値更新と、1987年1月の記録に並びました。今日予定されているトランプ大統領の議会演説で、膨張した市場の期待を更に上回る内容が示されるとは考えにくく、連騰記録もここまでになり小幅に下落するか、あるいはバブル最後の上げを演じた後に大幅に下落するのか、いずれかでしょう。米国株市場は煮詰まってきた感があります。