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2017年3月22日のマーケット・コメント

ドル円は買い下がり開始の水準-ただしゆっくりと

 

昨日、米国でオバマケア代替案の下院可決が難しい、との見方を受けて、財源確保ができなければトランプ大統領が掲げる大型減税や財政出動の実行は疑問だ、と市場は捉え、米国株大幅下落、債券大幅上昇(金利大幅低下)、ドル下落と反応しました。それを受けて、日本市場でも株大幅下落、ドル円は今年の安値更新の動きとなっています。今週中に下院通過すれば、株も債券も為替も元のボックス圏に戻ると思われますが、今週中に下院通過できなければ、トランプ政権の議会制御力に大きな疑問符が付き、景気刺激策に対する期待は剥落していき、米国株はバリュエーションを切り下げる形で下落基調が続くでしょう。

 

そのような状況になり米国株下落が続けば、それは世界的株下落となり、日本株も下落するでしょう。その場合、ドル円も引っ張られて円高ドル安進行となる可能性が高いですが、現在の111円台半ばの水準からは、ゆっくり買い下がりを始めるべきだと考えます。理由は以下の通りです。

 

1.トランプ政権による景気刺激策の実行が難しいとしても、米国経済はすでに十分好調であり、FRBは利上げ継続姿勢を変えるとは思えず、米国金利が現状水準から大幅低下するとは思えない。日銀も現在0.1%程度としている10年国債利回り誘導目標を変えてくるとは思えず、日米金利差縮小には限界がある。

 

2.株のバリュエーションと金利の本来の関係は、「金利上昇=株のバリュエーションの切り下がり」であるにもかかわらず、トランプ相場では「金利上昇=株のバリュエーションの切り上がり」となっていた。金利高止まり、株下落は本来の関係で十分説明が付くため、株下落にどこまでも引っ張られて円高ドル安進行するとは思えない。

 

3.下院通過して元のボックス圏に戻る可能性もあり、そうなった場合には現状水準はボックス圏の下限である。

 

4.先週末発表のシカゴ投機筋ポジションを見ると、3月7日からFOMC直前の3月14日に円ショートが増加している。その後の円高進行で円ショートはある程度減少していると想定されるが、まだ円ショートの投げエネルギーが残っている可能性が高く、一時的にせよ急激な円高進行がありえるため、買い下がりはゆっくり(価格の間隔をあけて)行なうべき。