東芝株の行く末を予想する-続報
本日の日経新聞で、米投資ファンドのシルバーレイク・パートナーズが東芝の半導体会社に2兆円の提示があった、と報道されました。昨日のコメントでは売却額1兆5,000億円だと、純資産は(-6,200+15,000)で8,800億円となり、1株当たり純資産(BPS)は208円になる、とご説明しました。
もし売却価額が2兆円で、売却益への課税が発生しないとすると、純資産は(-6,200+20,000)で1兆3,800億円となります。1株当たり純資産は326円に跳ね上がる計算です。最近大量保有報告を提出して筆頭株主となったエフィッシモ・キャピタルは、売却額が2兆円になることにベットしているのかもしれません。ただ、米国電力2社から追加補償を求められるなど、来期以降に追加損失が発生するリスクがありますので、326円をそのまま信じるのは危険でしょう。
また、売却額が2兆円になったとしても、損益面での試算は昨日のコメントと同じで、EPS13円のままです。日本を代表する(?)万年PBR1割れの優良企業の富士フイルム(4901)の今期予想PERは17倍(PBR0.94倍)ですので、それを新生東芝に当てはめれば13×17で株価221円と試算されます。その場合PBRは0.68倍となります。「それは低すぎでは?」と思われるかもしれませんが、赤字転落リスクがほぼまったくない日本郵政(6178)やゆうちょ銀行(7182)のPBRが0.5倍にも満たないことを考えれば、新生東芝のPER17倍、PBR0.68倍で221円という試算は、かなり「甘め」な評価だといえるでしょう。