日経新聞紙面記載のPERの謎
日経新聞の市況欄には、毎日日本株各指標のPER、PBRなどのバリュエーションが掲載されています。日経新聞に掲載されているわけですから、日経新聞社が算出する日経平均株価に注目します。本日の紙面には日経平均のPERは、予想ベース14.30倍、実績ベース15.42倍と掲載されています。PER=株価÷1株当たり利益(EPS)ですから、EPS=株価÷PERです。昨日の引け値は19,919.82円でしたから、予想ベースEPS=19,919.82÷14.30=1,393、実績ベースEPS=19,919.82÷15.42=1,292、と算出されます。
実は、この方法で算出される「日経平均のEPS」が、予想ベース、実績ベースともに、3月期決算企業の本決算発表があった4月終わりから先週に、大幅に増加しています。この方法で日経平均EPS動向をモニターしている人は少なくなく、この大幅増加を根拠に「企業業績は予想以上に強い」とする声も聞かれます。
しかし、個別企業の業績発表内容はそれほど迫力のある印象ではなく、日経平均EPSの大幅増加には違和感があります。そこで、日経平均採用225銘柄それぞれの実績EPSと会社予想EPS(会社予想未発表の場合、四季報予想EPSで代用)を使って、日経平均株価と同様にみなし額面調整を行い、その合計数値を除数26.301で割ることで、自分で日経平均EPSを算出してみました。その結果は、予想ベース1,161、実績ベース1,079、でした。(添付ファイル参照)
2015年度実績EPSは1,140円程度だったはずですので、自分で算出した上記EPSに基づけば、2016年度実績5.4%減益、2017年度会社予想7.6%増益、と感覚にかなり近づきます。(感覚的には2016年度実績微減益、2017年度予想微増益)参考までに、ブルームバーグでIBESコンセンサスの日経平均予想EPSを見たら、1,140となっていました。
日経新聞掲載PERの数値に納得がいかないため、日経新聞社証券部に先ほどメールで、計算方法を問い合わせました。回答が来ましたらご報告いたします。
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