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2017年6月29日のマーケット・コメント

ドル円はボックスの上限近くと見るも来週のオバマケア代替法案採決がリスク

 

一昨日にドラギECB総裁がインフレ見通しについて強気な発言をしたことを受け、欧州債券下落、ユーロ上昇、それを受けて米国債券下落、ドル円円安ドル高進行となり、昨日もその流れが続きました。6月FOMCの時にイエレンFRB議長もインフレ見通しに強気な発言をしましたが、その時は市場反応はほぼスルーだったことと対照的です。しかし予想されるECBの今後の行動は、9月に債券買い入れ額減額の予告、12月からそれを実施開始、と市場の見方は固まってしまったため、欧州債券下落が原動力となる、欧米債券下落、ユーロ高、ドル円円安ドル高進行は一時的なものに留まると思われます。

 

米国10年国債利回りは2.23%まで上昇し、その内訳は10年物価連動債利回り0.47%、BEI率1.76%となっています。トランプ当選以降の10年物価連動差異利回りのレンジは0.3%-0.7%で平均0.44%で推移していますが、少なくとも7月26日FOMCまではFRBの金融政策の評価が大きく変化することは想定しにくいので、現状水準近辺での推移が続く可能性が高いでしょう。一方BEI率は、7月7日の雇用統計や7月14日の消費者物価指数の結果で動く可能性があるものの、インフレ加速を示唆する内容になる可能性は低いと思われ、米国10年国債利回りは2.3%を超えて上昇することは考えにくいです。

 

結論として、ドル円が113円を超えて上昇することは目先考えにくく、112円台半ばからはドル・ショートのトレーディング・ポジションを取るという選択肢も考えるべきでしょう。ただし、可能性は低いと思われるものの潜在的な大きなリスクは、今週の採決が見送られ7月5日以降に延期となった、オバマケア代替法案の上院採決です。共和党内での造反者を2人以内に抑えないと可決に持ち込めない状況の中、3人が明確に反対表明しています。

 

説得により賛成に回ったら、政治理念の一貫性に疑念を持たれ、来年の中間選挙に悪影響となるため、それら3人は反対を貫く可能性が高いと思われるものの、もし3人のうち1人が賛成に翻ったら法案可決となり、財源の一つが確保できることとなり、減税や財政出動の実現性が一気に高まり、期待インフレ率の上昇により米国10年債金利は上昇、ドル円は115円を目指す展開となるリスクに留意すべきです。そのリスク・シナリオが実現した場合は、躊躇せずにトレーディング・ポジションは投げ、仕切りなおすべきです。