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2017年7月13日のマーケット・コメント

ピークアウトの動きを受けドル円スタンス変更

 

昨日、米国でイエレンFRB議長の議会証言が行なわれました。基本的には6月14日FOMC声明およびその後の会見と同様に、「バランスシート縮小開始は年内の比較的早い時期に行い、利上げはインフレ動向を注視しながら行なう」「最近のインフレ率低下は特殊要因による効果が大きい」と証言しました。ただ「今後のインフレ動向には、相当な不確実性がある」と証言したことを受け、市場はそれをハト派的発言と捕らえて、米国10年国債利回りは2.31%(物価連動債利回り0.55%、BEI率1.76%)へと物価連動債利回りが低下する形で低下、ドル下落、米国株上昇という反応になりました。

 

前回のコメントで、「ドル円は5月高値の114.38円を上回り、チャート的にはダブルボトムとなり、3月高値の115.50円トライまでありえるので、売り増しは明確にピークアウトを確認してから」とご説明しましたが、その後トランプ・ジュニアのメール問題とイエレン議長議会証言で、直近高値の114.50円から明確なピークアウトとなりました。短期筋の円ショート・ポジションは積みあがったままであることが想定され、もし今週末の米国消費者物価指数が強い数値でも114.50円を超えることは難しいと判断されます。114円台は売り増し、米国消費者物価指数が弱い場合は順張りで売り乗せ、というスタンスに変更します。

 

ただ、FRBは9月にバランスシート縮小を開始するという予想の確度は、今回の証言でより高まり、米国株の大幅下落がない限りドル円の下落余地も限られると考えられることから、買い戻しの目処は75日移動平均線が位置する111円台半ば程度とすべきでしょう。もしその水準を大きく下回って下落した場合は、ゆっくりとドルロング・ポジションの構築とすべきだと考えます。