シカゴ筋ポジションから示唆されるドル円の調整幅
先週末に発表された7月11日時点のシカゴ筋ポジションですが、驚きに値する数値でした。円ショート・ポジションは、7月4日時点の118,684枚から152,903枚に大幅増加。円ロング・ポジションは43,468枚から40,778枚への小幅減少だったため、差し引きのネット円ショート・ポジションは75,036枚から112,125枚へ大幅増加となりました。152,903枚の円ショート・ポジションも、112,125枚のネット円ショート・ポジションも、トランプ大統領当選以来の最大枚数です。
112,125枚のネット円ショート・ポジションは、ドル円が直近の高値125.71円を付けた2015年6月8日直後の、2015年6月9日時点の116,286枚以来の水準です。その当時の動きは、7月に一旦50,000枚程度の水準に減少する際に5円幅の調整、その後再び100,000枚に増加する際に高値トライまで戻るものの、8月に株価急落を受けて10円幅の調整となり、ネット円ショート・ポジションは10,000枚を下回るまで減少となっています。
先週末発表の米国消費者物価指数(CPI)のコア指数は、前月比0.1%増(前年比1.7%増)と予想の0.2%増を下回る結果となりました。それを受けてドル円は調整の動きとなっており、目先の方向性は調整がどこまで進むか、という見方が妥当でしょう。前回のパターンを当てはめれば、5円幅の調整ということになり、直近高値が114.50円でしたから安値めどは109.50円ということになります。
CPI発表を受けて米国10年国債利回りは、13日の2.35%(物価連動債利回り0.57%、BEI率1.78%)から本日時点で2.30%(物価連動債利回り0.52%、BEI率1.78%)に低下しました。物価連動債利回りはトランプ当選以降の平均の0.45%、BEI率は実勢CPIの1.70%までの低下余地があるとすれば、米国10年国債利回りは2.15%までの低下余地がある、ということになります。6月に米国10年国債利回りが2.1%台で推移していたときのドル円が109円台での推移だったことと整合的です。
7月26日のFOMCで、9月FOMCでのバランスシート縮小開始決定を強く示唆する声明が発表される可能性があり、それまでに円ショート・ポジションの整理が進んでいたら、ドル円は底打ち反転すると思われるため、上記の値幅までの調整とならなくても、ドルショートのトレーディング・ポジションは7月26日までにはクローズすべきと考えます。