7月FOMC終了
昨日米国でFOMCが終了し、声明文が発表されました。政策変更はなく、声明文ではバランスシート縮小開始に関して「比較的早期(relatively soon)に開始」と、6月FOMC後の会見でイエレン議長が使った表現が正式に盛り込まれ、インフレ動向に関しては「食料品とエネルギーを除いたコア・インフレ率は、2%を下回る水準での推移が続いている。」と、6月FOMC声明での「最近のインフレ率低下は一時的要因によるものだ」という表現から、現状を追認する表現に変更されました。
インフレ動向に関する表現の変化を受けて、市場ではハト派方向への変化と受け止め、債券上昇(金利低下)、ドル下落という反応になりました。しかし、この表現の変更は、単に足元のデータを記述する章での変更であり、インフレ率の見通しの文言は6月から変更がなく、「当面は幾分2%を下回る水準」(somewhat below 2% in the near term)となり、中期的に2%に戻ると記述されています。インフレ率に関する記述に関しては声明文アップデートするための最小限の変更しか行われておらず、上記の変更はFOMCがインフレ目標の達成に対し大きく自信を失っていることを示すものではないと解釈されます。
結論として、イエレン議長をはじめとするFOMCメンバーは、依然として9月20日FOMCでバランスシート縮小開始決定、11月1日FOMCで次回会合での利上げを示唆、12月13日FOMCで今年3回目の利上げ決定をメイン・シナリオと考えていると思われます。今回会合でのシナリオ変更はなかった、ということです。
ドル円にとって次の材料は8月4日の雇用統計になりますが、少なくともそれまではシカゴ筋ポジションの円ショート・ポジション積み上がりを根拠に、円高ドル安進行しやすく円安ドル安進行しにくい、という見方を維持します。米国株の調整が、円高、日本株下落に繋がる可能性もあるでしょう。もっとも、個別企業の企業業績発表が続いている間は、株式市場全体の調整は起こりにくく、本格調整があるとすれば企業業績発表が終わる8月中旬移行の可能性が高いと思われますが。