やはり米国株調整は仕切り直し
昨日の米国株は、トランプ大統領が掲げる税制改革案の調整が進んでいる、との報道を受けて大幅反発となりました。上昇を牽引したのは、レパトリ減税の恩恵を受ける大型ネット関連銘柄や大型医薬品銘柄でした。まだ先週木曜日の大幅下落前の水準までは戻っていませんが、この波動が大幅下落の入り口である可能性は消え、またしても仕切り直しという状況となったと言えるでしょう。
目先の注目イベントは、今週末のジャクソンホール会議です。サプライズ発言が飛び出す可能性は無いと考えられますが、イエレン議長が9月FOMCでのバランスシート縮小開始決定をあらためて示唆する可能性は十分あると思います。12月利上げの有無に関しては、今後発表される経済指標次第な状況のため、有無の示唆はないでしょう。同様に今後の経済指標次第である、ECBの今年12月以降の国債買い入れ額減額の有無に関して、ドラギ総裁からは示唆はないと思われます。
それらの発言を受けて、ユーロ高ドル安は反転、ドル円も反転となることをメインシナリオとします。ただし、米国でのインフレ低下懸念が払拭されなければ、米国金利上昇およびドル上昇の上値は限定的だと思われ、ドル円の上値余地は112円程度という見方を維持します。日本株は、米国株の明確な調整がないことを前提に、やや反発と見ます。ただし日経平均での上値余地は20,000円には届かない程度の水準を予想します。
目先の予想は上記の通りですが、以前からご説明しているように、これまで高値圏での低ボラティリティのもみ合いが数ヶ月間以上続いた後は、上抜けではなく必ず下抜けでした。今回も例外ではないと思われ、単なる「仕切り直し」で最終的には下に抜けて大型下落波動となる、ということを忘れてはいけません。「戻りを取る」はあくまでも短期トレーディングであり、「戻りは売り」が基本スタンスです。