依然整理が進まないシカゴ筋ポジション
先週末に発表された8月1日時点のシカゴ筋ポジションは、7月25日の111.89円から8月1日の110.36円と1週間で約1.5円円高ドル安進行となったものの、円ショート・ポジションは149,507枚から148,641枚へとわずかな減少に留まり、円ロング・ポジションは28,018枚から36,445枚への小幅増加だったため、差し引きのネット円ショート・ポジションは121,489枚から112,196枚と小幅な減少に留まりました。依然として、円ショートのポジション整理は進んでいません。
これは、円高ドル安材料には反応しやすく、円安ドル高材料には反応しにくい状況だということを意味します。実際に、先週末の米国雇用統計は強い数値で、円安ドル高材料となりましたが、111円台回復が定着しない上値の重い展開となっています。目先は日米ともに金融政策変更の機会はなく、ドル円に対する投資姿勢は押したら(ドルを)買うのではなく、吹いたら(ドルを)売る、というスタンスで望むべきだと考えます。
以前からご説明しておりますように、
「ドル円の押し目買いは、シカゴ筋のポジション調整が確認されるか、あるいはドル円の急落反転があり、ポジション調整がピークアウトした可能性を示唆する値動きになるまで控えるべきでしょう。逆に、もし112円台以上にドル円が戻るようなら、トレーディング・ショートのポジションを作りたい状況です。」
というスタンスを維持します。
日本企業の企業業績発表が続いており、総じて4-6月期実績は好調な内容となっておりますが、ドル円の円安方向への重い動きが日本株の上値抑制要因となっています。同時に下値は、好調な米国株と薄商いの中での日銀のETF買い入れが下支え要因となっており、狭いレンジの動きが、米国株の本格調整までは継続するでしょう。日本株は、日経平均やTOPIXでは売りでも買いでも非常に狭い値幅しか狙えず、かといって振興市場株はピークアウトから高値波乱の動きとなっており手を出すのは危険な状態で、投資対象としての魅力は低い状態が続くでしょう。最後に、米国株が今年のように高値圏で低ボラティリティで推移した後に、その時期を予想することはできませんが、大きく動くとすれば過去例外なく下抜けだ、ということは認識しておくべきでしょう。下落の後に戻るか、戻らないで下落トレンド入りするかは、過去どちらのパターンもありましたが。