ユーロ圏コアCPI伸び悩み
昨日発表されたユーロ圏消費者物価指数(CPI)ですが、総合指数は前年比1.5%上昇と前月の1.3%から上昇加速したものの、食品とエネルギーを除いたコア指数は前月と変わらずの前年比1.2%上昇に留まりました。インフレ率の上昇加速が、もっぱらエネルギー価格上昇のみに起因していることが示された格好です。
9月7日にECB会合が予定されていますが、このCPIの発表を受けて、ドラギECB総裁は今年12月以降の国債買い入れ額減額に関して、強気なコメントはできなくなったと思われます。一方、FRBは9月20日FOMCで、バランスシート縮小開始決定の見込みであり、ユーロ安ドル高要因です。ユーロドルは、ドラギ総裁の強気なインフレ見通しを受けて、6月以降上昇トレンドが続いてきましたが、8月29日の1.200越えでピークアウトした可能性が高いと思われます。
シカゴ筋のユーロドル・ポジションは、ユーロ上昇とともにユーロロング・ポジションが増加し、高水準での推移となっています。ユーロがピークアウトから反落となれば、ポジション解消によるユーロ売りのエネルギーがたまっている状態です。ユーロドルは今後1-2ヶ月で、少なくとも今年7月前半にもみ合った1.400程度、もしくは直近の上昇の全値押しとなる1.200程度までの調整が予想されます。
今日は米国雇用統計が発表されますが、予想以上か少なくとも予想通りであれば、ドル反発を後押しすると思われます。今回の雇用統計の事前予想数値は、非農業部門雇用者変化が18万人増(前回実績20.9万人増)、失業率は4.3%(前回4.3%)、前月比平均時給0.2%増(前回0.3%増)となっています。