CPI対予想連敗記録止まる
昨日、米国消費者物価指数(CPI)が発表されました。前月比コアCPIは予想と同じ+0.2%、前月比総合CPIは予想の+0.3%を上回る+0.4%、前年比コアCPIは予想の+1.6%を上回る+1.7%という内容でしいた。前月比コアCPIは、小数点第2以下は+0.2485%でしたので、あとちょっとで予想以上の表示(+0.3%)となった水準でした。前月比コアCPIは5ヶ月連続で事前予想以下となっていましたが、連敗記録がこれで止まりました。
最近のFOMC声明やイエレン議長の「直近の弱いインフレデータは、特殊要因による一時的なものだ」という見解に自信を与える内容だったといえます。本日は米国小売売り上げ統計が発表されますが、予想以上の内容であれば来週のFOMCでのハト派方向への変化には歯止めがかかるでしょう。なお小売売り上げの予想は、ハリケーンの影響で自動車販売が落ち込んだことから前月比全体では+0.1%と、前月実績の+0.6%から大幅に落ち込むことが織り込まれています。(除く自動車の前月比予想は前月実績と同じ+0.5%)
CPI発表直後はドル円は111.04円まで上昇しましたが、「北朝鮮がミサイル発射を準備」との報道があったためか、乱高下の後失速、その後東京時間の朝、北朝鮮が実際にミサイル発射を行い109.55円まで急落後、CPI発表前の110円台半ばまで戻す動きとなっています。日本株はミサイル発射をほぼスルーした動きとなっており、もはや北朝鮮のミサイル発射は市場変動材料ではなくなった印象です。
ただ当面、ドル円は108-112円を基本とするボックス圏からは抜けない、と思われることから111円台はトレーディングのドルロングは売りあがって利食うべき、との見方に変更はありません。下抜けする(円高方向)ためには米国株の大幅下落、上抜けする(円安方向)ためには米国税制改革が予想よりも大規模なものになることが必要でしょう。今のところ、どちらも見えません。