9月FOMC終了
昨日米国で9月FOMCの声明文が発表されました。内容は市場予想通り「バランスシート縮小開始決定。利上げはなし。12月利上げの可能性を排除せず。」でした。注目のドット・チャートですが、中央値は年内利上げ1回、来年3回と前回6月の予想から変化はありませんでした。細かく見ると、年内利上げ無しが前回と変わらずの4人、年内1回の利上げが前回から3人増えて11人、年内2回の利上げが前回から3人減って1人と、より現実的な予想分布となりました。
バランスシート縮小の手法は6月FOMCで示されたとおり、当初は月間100億ドル(米国債60億ドル、住宅ローン担保証券40億ドル)を上限に、月間500億ドルに達するまで3ヶ月ごとに上限を100億ドルずつ拡大するというものでした。つまり、最初の1年間は最大3,000億ドル、2年目以降は最大6,000億ドルの縮小となります。FRB保有債券の予定償還額は、2018年が3,700億ドル、2019年が3,300億ドル、2020年が2,200億ドルなので、2018年は一部が再投資されますが2019年以降は再投資は一切行なわれなくなる見通しです。
声明発表を受けて、米国10年国債利回りは2.24%から2.28%に上昇、ドル円は112円台半ばまで上昇となりました。米国株は発表当初は下落の反応でしたが、その後戻して引けています。ただ、利上げ継続もバランスシート縮小も株式市場にとっては、借り入れコスト増加とバリュエーション縮小に繋がる要因ですので、ボディーブローのようにじわじわ効いてきます。臨界点を越えたときに、一気に下落反応する覚悟が必要だと思います。
FOMC通過で、目先の今後の材料は主要経済統計のみとなりました。大きなものは10月6日の米国雇用統計となり、予定された材料はしばらくない状態が続きます。米国10年国債利回りを更に上昇させる要因も見当たらず、更なる円安進行余地も限られ、米国株もベストシナリオで高止まり(更なる上昇余地は限られる)と考えられることから、ドル円、日本株ともに上げ止まり感が出たらトレーディング・ショートすべきと考えます。順張りがお好きでない場合、現状水準から売り上がりでもいいと思います。