昨日の欧米市場は何かがおかしい-早晩修正へ
昨日欧州でECB会合が行なわれ、ドラギ総裁は金融政策の現状維持と次回の10月26日会合で12月以降の国債買い入れ額減額の内容を決定する予定だと、事前の市場予想通りの内容を発表しました。また、ユーロに関して、ユーロ高の欧州経済へ与える影響にやや懸念を示しました。発表を受けて、債券市場は「内容はハト派的」と捉え、欧州債券市場は上昇(金利低下)しました。その動きに、米国債券市場も連れ高(金利低下)し、米国10年国債利回りは2.04%(10年物価連動債利回り0.25%、BEI率1.79%)と、年初来の最低水準を更新しました。
不可解なのはユーロドルの動きです。そもそもECB会合発表に向けてユーロ高となっていたことも不思議でしたが、欧州債券市場が発表を受けて金利低下したにもかかわらず、ユーロは発表を受けて更にユーロ高が進んだのです。短期筋のユーロ・ショート・ポジションの損切りの買い戻しが入ったと推察されますが、金利低下とユーロ高は整合的ではありません。早晩、どちらかの修正の動きが入ると思われますが、世界的にインフレ低迷懸念がある中、修正の動きは金利上昇よりもユーロ反落でしょう。
昨日の為替市場では米ドルの独歩安となり、ドル・インデックスは約0.7%下落し年初来安値更新となり、水準としては2015年1月以来の低水準です。ドル円も約0.7%下落しNY引けは108.45円でした。NY市場で108.05円まで下落し4月の年初来安値108.13円を抜け、東京時間で先ほど再び108.05円まで下落しました。4月安値を抜けたとはいえ「誤差の範囲」であり、108円を明確に下抜けない限りレンジが変わったとはいえません。
結論としては、ドル円の108円前半はドルロングのトレーディング機会、ユーロドルの1.2000以上はユーロショートのトレーディング機会と考えます。
追記:その後ドル円は108円を明確に割り込む動きとなっています。一旦買い増しは中止し、下値が定まるのを待つべきと考えます。少なくとも、明日の北朝鮮建国記念日で何が起こるのか、何事も起こらないのかを見極められない今日のNY引けまでは、ドルロング&円ショートの投げが継続する可能性が高いからです。