ドル円は激しい動きで両サイドのポジション整理が進んだ印象
昨日、ドル円は東京時間で109円を割り込み、その後も下落基調が続き、NY時間では108.50円まで下落しました。しかしそこでトランプ大統領が、まさかのドル高支援発言を行い、ドル円は109円台後半まで1円以上急上昇しました。なお、欧州時間のドラギECB総裁の会見は市場変動材料とはなりませんでした。
ここ数日のドル円の下落で、円ショート・ポジションは相当整理されたと想定され、また、昨日のトランプ発言による急反発で円ロング・ポジションもある程度整理されたと想定されます。両サイドのポジション調整が進んだ状況は、ポジション・クローズのエネルギーが減少し、大きな動きが出にくくなったことを意味します。あわててする行動は、ポジション・オープンではなくポジション・クローズだからです。
とは言え、ネットポジションはまだ円ロングよりも円ショートが圧倒的に大きく、含み損を抱えており、損切りをあわててする必要があるのは円ショートですので、大きく動く可能性があるのはまだ下落(円高ドル安)方向です。昨日の急反発が、何もきっかけのない自然体のものであれば、円ショートのポジション整理は終了したと思えたのですが、トランプ発言という人為的なものをきっかけにした急反発だったので、まだポジション整理の積み残しがある可能性を否定できないのです。
昨日ご説明した「108円近辺までは買い下がり、もし108円を下抜けるようなら、一旦買い下がりは中止して明確に底打ち反転するまで待ち、底打ち反転を確認したら順張りでポジションを増やす」というスタンスを維持します。