米国雇用統計&シカゴ筋ポジション
先週末に発表された米国雇用統計ですが、非農業部門雇用者数変化は事前予想の19万人増かを下回る14.8万人増加に留まり、前月比平均時給は事前予想通りの0.3%増加となりました。ただ、米国市場の反応は適温相場継続と捉えられ、米国株上昇、長期金利小幅上昇となり、株式市場調整のきっかけにはなりませんでした。
先週末に発表された1月2日時点のシカゴ筋ポジションですが、円ショートは12月19日時点の151,247枚、12月26日時点の160,355枚から更に小幅に増加し、161,358枚となりました。円ロングは12月19日時点の36,874枚から12月26日時点では44,269枚へ増加したものの、39,592枚へ減少しました。その結果、差し引きのネット円ショートは、12月19日時点では114,373枚、12月26日時点では116,086枚、更に1月2日時点では121,766枚と、ポジションが積み上がって来ています。昨年年初以来、ネット円ショートが12万枚を越えていたのは、7月18,25日、11月7,14,21日しかなく、どちらもドル円は高値からピークアウトしています。今回もちょっとしたきっかけで、ドル円はピークアウトから下落になりやすい状況だといえます。
米国10年国債利回りは2.48%と、インフレ期待が盛り上がってこない限り上昇余地が極めて限られる水準まで上昇してきており、ドル円の113円台はトレーディング・セル(ドルのショート)機会と捉えて問題ないと考えます。
一方、株式市場は米国株が牽引するバブル相場の様相を呈しており、米国株発の明確な調整の動きになるまでは静観すべきとの考えに変更はありません。