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2018年10月11日のマーケット・コメント

2月に続き再び米国発世界同時株安

 

昨日、米国株が大幅下落し、それを受けて日本株を含めアジア株市場は大幅下落となっています。日経平均は1,000円を越える下落、中国の上海総合指数は現在2,624.90と2016年1月の安値2,638.30を割り込み年初来安値更新です。8月や9月のように政府系資金の買い支えが入るかが注目されます。

 

昨日の米国株大幅下落の背景は、特段の悪材料があったわけでもなく定かではありません。長期金利の上昇を時間差で嫌気したか、あるいは決算発表を跨ぐリスクを避けるためかで売りが出た後、様々な自動売買システムにより売り注文が出され下落が拡大したと思われます。ドル円は下落しましたが、ドル・インデックスはほぼ横ばいで、米ドルからの資金流出が起こった様子はありません。米国長期国債も小幅ながら上昇(金利低下)しています。

 

来週から米国で四半期企業業績の発表が始まりますが、その内容が問題ない限り米国株が下落トレンド入りするとは思えません。米国株は世界景気敏感業種の構成比率が10数%しかなく、新興国景気減速の影響も軽微になると思われます。むしろ、日本株(構成比率は約50%)など世界景気敏感業種の構成比率が高い株式市場と比較した、米国株の業績安定感が再評価される可能性もあります。

 

一方、日本株は既に昨日の安川電機(6506)の業績下方修正で明らかになったように、中国の景気減速から影響を受ける銘柄が他にも多数あり、業績発表を経て下期業績への不安感が高まるでしょう。私には理解できませんが、日本株市場では「ドル円が平均想定ドル円レートの約108円を上回って推移しているので、上期業績上ぶれ、通期上方修正含み」という意見が支配的な状況ですので、期待が不安に変化することで株価にはかなりの下落余地があるでしょう。

 

以下現在のスタンスを整理します。

1.日本株には慎重スタンス。特に中国関連銘柄には弱気。

2.米国株は株式市場の中で相対的に最も強気。

3.通貨の中では米ドルに最も強気。新興国通貨は弱気。ドル円はもう一段の下落で押し目買い開始。

4.米国長期金利の現状水準からの上昇余地は限定的。

 

もし可能なら、ペアトレードで米国株ロング、日本株ショートして放置しておくのが、長期投資としては最も確実だと思います。S&P500などの米国株指数連動ETF(できればドル建て)を買い、日本株指数連動インバースETF(円建て)を買う、という方法なら現物口座でできますし、限月もありません。