日本株全体は外人投資家による先物主導相場
日経平均が直近の安値をつけたのは9月7日(22,172.90円)でした。その後、外人投資家は2週間で先物を合計1兆6,353億円も買い越し、日経平均は24,000円に迫るまでの上昇となりました。日経平均の直近高値は10月2日(24,448.07円)でしたが、9月第4週以降は、外人の先物売買動向は売り越しに転じ、9月第4週は2,047億円の売り越し、10月第1週は1,356億円の売り越しでした。一方現物株は、9月第2週までは売り越しでしたが、その後買い越しに転じ、9月第3週2,771億円、9月第4週3,771億円、10月第1週5,757億円のそれぞれ買い越しでした。つまり、外人投資家は先物で上昇の流れを作り(おそらくヘッジファンドなどの短期投資家)、株価上昇を受けて日本株アンダーウェイトのリスクを縮小するために現物を買ってきた(おそらく年金などの中長期投資家)、と推察されます。
米国株が急落したのは10月10日と11日で、日本株の急落もそれを受けて先週後半からなので、今週木曜日引け後発表の先週の売買動向が注目されますが、おそらく外人の先物は大幅売り越しであると思われます。しかし、本日も先物主導の下落は続いており、外人の先物ポジションの整理は継続していることが伺えます。現状の日経平均の水準は、9月7日の安値に迫っており、短期上昇相場のあとの短期下落相場としての値幅調整はそろそろ終了してもおかしくはないですが、この「先物主導での下落」が終了したことを確認するまでは、リバウンドを取りに買いで入るのは危険です。もしそれが終了すれば、短期的に最大23,000円手前までのリバウンドはありえるでしょう。
本日の日本株下落の一つの要因として、ムニューシン米財務長官による、日本との通商会議で為替条項を要求する、という発言が上げられていますが、ドル円の反応はほとんどなく、それは間違いだと思います。短期需給の調整と割り切って考えるべきでしょう。ただし、10月25日から日本での企業業績発表が本格化すれば、下期業績懸念が最も強い市場変動要因になるという見通しに変更ありません。上記のリバウンド予想は、あくまでも今後10日間程度の話だということにご留意ください。