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2018年10月19日のマーケット・コメント

外人短期投資家の先物ポジション

 

昨日、先週の投資主体別売買動向が発表されました。注目の外人投資家は、現物株3,290億円の売り越し、先物合計1兆4,992億円の売り越しでした。ヘッジファンドなどの短期外人投資家が主な投資主体である先物の売買動向を振り返ると、9月第2週第3週合計で1兆6,353億円を買い越して以降は売り越しに転じ、9月第4週に2,047億円、10月第1週に1,356億円、10月第2週(先週)に1兆4,992億円のそれぞれ売り越しで、3週合計で1兆8,395億円の売り越しです。

 

10月16日の後場の値動きを根拠に「短期外人投資家の先物買いポジションの整理は終了した模様」とご説明しましたが、それが正しかったことが主体別売買動向での数字で確認された形です。ポジションの偏りがなくなったことで、目先は新たなニュースフローがない限り、レンジを上にも下にも抜けず、レンジの中での値動きの荒い展開が想定されます。日経平均で言えば22,000-23,000円でしょう。先物ないしは指数連動ETFを使ってトレーディングをするのであれば、22,000円に迫ったら買い、23,000円に迫ったら売り、という対応です。

 

中国株は、昨日大幅下落となり、既に先週に2016年1月および3月の安値を明確に割り込んでいた上海総合指数は、フシメの2,500も割り込み年初来安値を大幅に更新しました。本日も、ほぼ横ばいの動きで2,500回復には至っていません。おそらく中国政府は株価防衛をあきらめ、中国元防衛に注力すると方針変更したのではないかと推察されます。ただし、日本株と中国株の直近の相関はあまり高くなく、中国株が更に安値更新の動きになっても、それを受けて日本株がレンジ下抜けする可能性は低いと考えます。いうまでもなく、日本株動向にとっては、米国株動向が最も重要です。

 

ただし個別銘柄は違います。日本で来週半ばから始まる業績発表で、中国からの需要減速による業績悪化見通しが示されれば、株価は年初来安値を大きく更新して下落することが想定されます。中国関連銘柄に対する弱気スタンス継続を強調します。

 

追記: 中国株は後場に大幅上昇しており、中国政府は中国株の買い支えを完全にあきらめたわけではないようです。