中国株の戻り目処を探る
中国株は、先週金曜日の後場、そして本日と、明らかに政府系資金による買い支えにより急反発しています。しかし、人為的な買い支えはトレンドを転換することはできず、下落トレンドの中での戻りを作るに過ぎないことを考えると、中国株は早晩ピークアウトして下落トレンドに回帰することが想定されます。そこで、過去の買い支えの際の値動きから、今回の戻り目処を探ります。
前回、明らかに買い支えにより中国株が戻ったのは、9月18日-21日でした。このときの上海総合指数の安値は2,644.30で、21日の高値は2,797.49で、上昇率は5.8%でした。これを今回に当てはめると、先週金曜日の安値が2,449.20だったので、5.8%上昇は2,591.25となりますが、現値はすでに2,627.31でその水準を越えています。別の見方をする必要があります。
前々回に買い支えが入ったのは、7月20日-24日で、安値2,753.84から高値2,911.47までの5.7%の上昇でした。安値からの上昇率が当てはまらないとなれば、どこまで戻すまで買い支えを続けるか、という目標値に注目します。すると、目標値は7月の際はおおよそ2,900で、9月の際はおおよそ2,800だったと考えられます。その見方が正しければ、今回の買い支えの目標値はおおよそ2,700ではないかと考えられ、現値からあと2.4%ほどの上昇ということになります。過去2回の買い支えが、連日行なわれてきたことを踏まえると、今回予想される戻り目処は、明日2,700程度まで押し上げて買い支えは終了となる、という結論になります。
米国による2,000億ドルの制裁関税の発動が9月24日だったことを考えると、その悪影響が本格化するのは10月からでしょう。11月に発表される10月の中国経済統計から悪影響の本格的な顕在化が始まることが想定され、買い支え終了後の中国株は再び下落トレンドに回帰すると思われます。