キャタピラーの業績発表
昨日米国で、建機大手のキャタピラーが業績発表を行ないました。7-9月の利益実績はコンセンサス予想とほぼ同水準でしたが、鉄鋼などの原材料価格の上昇と関税の影響による利益下押し要因が今後負担になる、との見通しを嫌気して、株価は7.6%の大幅下落となりました。1-3月期業績発表の際に同社は「1-3月期が業績のピークになる」との見通しを発表していましたが、そのような売り上げ動向に加えて、コスト上昇が一段の利益モメンタム失速に繋がっていく、ということです。
この状況は、同業のコマツ(6301)や日立建機(6305)はもちろん、他の景気敏感業種にも共通するでしょう。日本企業の場合、関税の直接的影響はありませんが、関税による悪影響を受けた中国からの需要減速という形で、間接的に悪影響を受けます。また、原材料価格上昇は共通です。
既に業績発表を行なった日本企業はまだわずかですが、10月10日に「半導体市場と中国市場の減速」を理由に業績下方修正を行なった安川電機(6506)に続き、10月22日に発表された日立化成(4217)で中国スマホ市場の減速が示され、株価は大幅下落しました。
今後業績発表が注目される主な銘柄は以下の通りです。
10月25日:日立建機(6305)、日立金属(5486)、富士電機(6504)
10月26日:信越化学(4063)
10月29日:ファナック(6954)、コマツ(6301)、三菱電機(6503)
10月30日:オムロン(6645)
10月31日:東京エレクトロン(8035)、日東電工(6988)、ナブテスコ(6268)
ところで、昨日の米国株は大幅下落で始まり取引開始1時間後に下落率は一時2%に迫りましたが、そこから徐々に持ち直し引けでは0.5%安と、昨日の日本株引け時点の米国株の時間外先物の下落の半分の下落でした。米国株が持ち直せば、日経平均も最低でも200日移動平均線(現在22,490円)までの戻りはあると思われ、日経平均のトレーディング買い姿勢を維持します。