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2018年12月20日のマーケット・コメント

12月FOMC終了

 

昨日、FOMCで今年4回目、利上げを始めてから9回目となる利上げが決定され、FFレートの誘導目標は2.25-2.50%に引き上げられました。ドットチャートが示す2019年の予想利上げ回数の中央値は、これまでの3回から2回に変更され、今後の利上げペースがスローダウンすることを示唆しながらも「金利を漸進的に更に幾分か引き上げる」と、「漸進的」という文言が残されたことで市場は、利上げ継続姿勢維持と捉え、米国株は急落しました。

 

ドットチャートの詳細を見ると、2019年の予想利上げ回数は、0回が2人、1回が4人、2回が5人、3回が6人となっています。また中立金利の予想は、2.50%が4人、2.75%が5人、3.00%が5人、3.25%が1人、3.50%が1人となっており、中心レンジは2.50-3.00%で中央値は2.75%となっています。すなわち、2019年に1回利上げされ誘導レンジが2.50-2.75%に引き上げられたら中立金利水準に達する、ということであり、以前の「利上げは中立金利に達するまで継続する(中立金利に達したら利上げは休止する)」という発言に基づけば、2019年の利上げ回数は1回がメインシナリオとする市場の織り込みと合致します。

 

「今回も利上げ決定だが2019年の利上げ姿勢はトーンダウンする」という市場の事前予想にほぼ沿った結果でしたが、米国株は急落し、FOMC通過で株式市場反発というシナリオは外れました。あらためて「下落トレンドの中で買いから入るトレーディングは危険」ということを認識させられました。

 

昨日の米国株は「期待していたほどのハト派シフトがない」という解釈で下落しましたが、「落ち着いて考えれば確かにハト派シフトした」ということで、年末にかけて米国株が戻る可能性は低くないと考えられ、戻ったところでカラ売りポジションを取るべきという見方に変更ありません。

 

ところで、ソフトバンク(9434)ですが、予想通り1,500円は高すぎ、適正株価と思われる1,200-1,300円まで下落しました。今後の株価はおおむね横ばいだと思われ、売りでも買いでも投資対象にはならないでしょう。