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2018年12月28日のマーケット・コメント

2019年の展望

 

今年はアベノミクス始まって以来、始めての日本株年足陰線になりました。今年の特徴は「外人が売り手」「景気敏感株が下落を主導」「内需・ディフェンシブ業種は堅調」というものでした。中国の設備投資サイクルがピークをつけたのが今年1月で、景気敏感株の高値も同時期につけています。その後は、将来の景気減速を織り込む形で景気敏感株は下落が続きました。中国を始め、世界景気に減速感が実際に現れ始めたのは今年10月頃からであり、来年は一段と顕在化が進むと思われます。

 

2019年を通じて「世界経済の減速による企業業績悪化」が日本株のテーマとなるでしょう。そのような環境の中、景気敏感性の高い日本株市場が外人投資家に選好されるとは思えず、来年も外人投資家の売り越し姿勢は続くでしょう。四半期業績の発表ごとに、業績悪化が想定以上であることを織り込み続け、下値を切り下げていくイメージです。今年と違い、外人投資家は景気敏感株だけではなく、内需・ディフェンシブ業種も含めた日本株全体を売ってくると思われ、外人が保有する大型株全般厳しいでしょう。

 

ただ、おそらく3月20日FOMCでの利上げは見送られ、それを受けて利上げ終了、そして4月から5月の業績発表で、市場が懸念しているよりも楽観的な会社予想が示され(結局は下方修正されると思いますが)、一旦株式市場は反発する可能性があると考えます。年初発売の日経ヴェリタスの市場見通しアンケートで、日経平均の高値を4月22,000円としたのは、それが理由です。(安値予想は12月14,000円です)

 

12月は米国株が主要株式市場の中で下落率が最も高くなっていますが、米国株は本来最も景気敏感性が低く、今月の米国株の動きは、ファンダメンタルズの変化を織り込んだというより独自の需給調整が原因だったと考えられます。2019年は世界的に株式市場は下落すると思われますが、米国株の下落率が最もマイルドになると思われます。

 

為替に関してですが、2019年も米ドルは堅調な状況が続き、来年どこかで再び脆弱通貨の大幅下落が起こると思います。米ドルは「安全通貨」の筆頭ですが、円も「安全通貨」に分類されるため、ドル円の変動は今年後半同様に小さいままでしょう。110-115円を中心に、瞬間そのレンジを突き出ることがあるか、というイメージです。

 

今年も1年お付き合いいただき、ありがとうございました。よいお年をお迎えください。2019年もよろしくお願いします。