先週金曜日のNY市場は「投げ第1弾」か
先週金曜日のNY市場では、米国株もドル円も激しく動きました。NYダウは24,200ドルで始まった後、一時23,360ドルまで下落し、引けにかけて24,400ドル近くまで戻し、引け際に急落して結局24,190ドルで引けました。ドル円は109円台で始まったものの、米国株の下落とともに一時108.04円まで下落した後に急速に反発して、結局108.79円で引けました。この乱高下で短期ポジションの投げはある程度出たことが想定されますが、「投げ切り」とまではいっていない印象で、「投げ第1弾」というところでしょう。
先週末に発表された2月6日時点のシカゴ筋ポジションは、円ショートが1月30日時点の162,524枚から151,984枚へ大幅減少、円ロングも47,828枚から39,108枚へ大幅減少、結果として差し引きのネット円ショートは114,696枚から112,876枚への小幅減少となりました。108円台から110円まで上昇した後、米国株急落を受けて再び108円台へ下落する中、円ショートも円ロングもポジション調整が進んだ、ということが伺えます。2月7日以降も乱高下が続いており、両サイドのポジション調整は更に進んだと想定されます。ただ上記のように、まだ「投げ切り」とまではいっていない印象です。
市場にとっての朗報は、米国10年債利回りが2.85%程度で上昇が止まってきたことでしょう。BEI率は2月2日の2.14%をピークに、直近では2.07%まで低下してきています。米国10年物価連動債利回りは0.78%まで上昇し、過去5年間の最高値水準です。原油を始め商品価格はピークアウトから下落基調に転じてきており、インフレ懸念が高まる状況ではないことを考えると、現状水準からの金利上昇余地は非常に限られる、と見ていいでしょう。
とは言え、株、為替、債券の相関は、現在壊れてしまっている状態であり、債券下落(金利上昇)が止まっても、株や為替が反転するとは限らず、むしろ「投げ第2弾」に警戒すべきでしょう。株は戻りは売り、ドル円はゆっくり買い下がり、というスタンスを継続します。