依然として整理が進まないシカゴ筋ポジション-排除できない「ダメ押しシナリオ」
先週末に発表された2月20日時点のシカゴ筋ポジションですが、円ショートが2月13日時点の157,808枚から153,972枚へ減少、円ロングが42,299枚から45,634枚へ増加、その結果差し引きのネット円ショートは115,509枚から108,338枚へ減少となりました。ただ、円ショートは2月6日時点の151,984枚を依然として上回る水準であり、ポジション整理は遅れている印象です。
2月14日付のコメントでご説明したように、9月8日に107.32円の安値を付けた直前時点の、9月5日時点のシカゴ筋円ショートの推計簿価は112.99円でしたので、5.67円の含み損水準でした。今回の安値105.55円を付けた2月16日時点での推計簿価は112.64円でしたので、含み損水準は7.09円とポジション整理を進めるには十分な値幅でした。しかし、安値をつけてからすぐに戻ると想定された108円近くまでは戻ったものの、108円を越えられず再び106円台に沈んでいる動きを考えると、少なくとも直近安値の105.55円トライ、そこを割り込むと瞬間103円台に入るまでの「ダメ押し」があるというシナリオが排除できません。
先週金曜日の米国市場で、米国株上昇、米国10年国債利回り低下と、株と債券がこれまでと逆の戻りの動きになったにもかかわらず、ドル・インデックス、ドル円ともに下落し、戻る動きにならなかったことも懸念材料です。米国株は、下落の3分の2戻し(NYダウで25,531ドル、S&P500で2,759ポイント)手前まで戻り、VIX指数は16.49ポイントまで低下していますが、このまま順調な戻りが続くとは考えにくく、米国株反落、米国債反落となりドル円ダメ押しとなっても問題が起きないようなポジション管理が重要です。