今回の株価急落がブラックマンデーと同様だとすると…
米国株に端を発する今回の株価急落は、ブラックマンデーと似ています。共通するのは、金利上昇をしばらく無視する形で株価上昇を続けた後に、目立ったきっかけなく唐突に急落した、という点です。そこで、ブラックマンデー前後の米国株動向を振り返ってみます。
ブラックマンデーの際の日中安値は、ブラックマンデー翌日につけており、高いボラティリティは1週間程度で収まり、その後は下落開始から安値までの3分の1戻し程度の水準でのもみ合いが半年以上続き、ブラックマンデー前の高値を明確に更新するのに約2年半かかりました。それを今回に当てはめると、NYダウの急落前の高値が26,617ドル、昨日の日中安値が23,779ドルですので、3分の1戻しは24,725ドルとなります。昨日の引け値が24,913ドルですので、すでに3分の1戻しは達成しており、ブラックマンデー後と同様の推移となるとすれば、昨日終値水準を上限近辺とするもみ合いの展開がしばらく続く、ということになります。
ブラックマンデー後には、世界的にマクロ的な経済危機は訪れなかったため、上昇トレンドの後に急落して水準訂正、その後はもみ合いという展開になりました。今回もこの点が重要です。すなわち、以下のどちらかになるのかです。
1.株価は急落したが、あくまでも上昇しすぎの水準訂正であり、経済状況や企業業績に変調なく、株価は下落トレンドに入ったのではなく、もみ合いが続く展開になる。
2.株価急落が、世界的なリスクオフに繋がり、商品価格下落、信用収縮が起こり、中国など新興国発の景気後退に陥り、株価は下落トレンド入りする。
現在のところ、原油などの商品価格はまだ大きく下落してはおらず、上記2.の兆候は出ていませんが、1987年当時と比較して、現在の経済構造ははるかにグローバル化し、かつ資産価格に敏感になっていることを考えると、上記2.の可能性は排除すべきではないでしょう。
ところで、昨日のコメントで「日経平均の最も浅い安値めどは21,000円割れ」とご説明しましたが、ほぼその水準に相当する21,079円(先物は21,050円)で昨日反発する動きとなりました。3分の1戻しは22,080円、半値戻しは22,590円、3分の2戻しは23,100円ですので、日経平均も本日すでに3分の1戻しは達成しており、半値以上戻ったところを売り参戦すべきなのか、外部環境の推移を見ながら検討したいと思います。