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2018年3月2日のマーケット・コメント

「別のシカゴ筋ポジション」は円ショートのポジション整理終了を示唆

 

いつもお伝えしているシカゴ筋ポジションは、投機筋ポジションと言われることが一般的な「Non-Commercial(非商業的)」(実需取引以外の)ポジションですが、その内訳として「Non-Reportable(非報告)」(報告義務が生じる一定以上のポジション水準ではない)ポジションというデータがあります。すなわち小口投資家のポジションということであり、そのほとんどが短期収益追及の個人投資家だと思われます。

 

その非報告ベースのポジションが、昨年10月24日をピークに円ショートは減少が続き、ついに1月30日に円ショートから円ロングに転じ、直近データの2月20日時点では2016年4月5日時点の8,984枚を上回る11,015枚に積み上がっています。(添付チャート参照)

シカゴ筋ポジション(非報告分)20180302

昨日のトランプ大統領の鉄鋼とアルミへの関税宣言を受け、米国株下落、ドル下落となり、東京時間でもドル円の下落基調は続き、一時105円台まで下落しましたが、前回106円を割り込んだ時とは違い「投げ」の動きにはなっていません。短期筋のポジション整理はすでに一巡している可能性が高く、直近安値105.55円を割り込むリスクは、新たな悪材料が出てこない限り限定的と思われます。

 

米国株は昨日大幅続落となりましたが、必ずしも「幅広く保有されている銘柄」(2月28日付コメント参照)が下落を主導している状態ではなく、レンジ内でのもみ合いの範囲と考えられます。日本株は米国株の動きをトレースし続けると考えられますので、その場合日本株もレンジ内での値動きが荒いもみ合いでしょう。レンジは直近安値から直近高値と考えるのが自然であり、NYダウで言えば23,360-25,800ドル(安値からおよそ3分の2戻りの範囲)、日経平均で言えば20,950-22,502円(安値からおよそ半値戻りの範囲)です。ドル円も日本株もトレーディング・バイ機会だと思われます。