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2018年3月5日のマーケット・コメント

ドル円も日本株も重要なチャートポイントをトライに

 

先週のNY市場で、ドル円は2月16日安値105.55円を下回り、一時105.23円まで下落しました。本日の東京市場でも先週のNY引け105.76円を下回る水準でのもみ合いが続いています。日経平均も本日下落しており、21,000円を挟む水準でのもみ合いとなっています。

 

ドル円のフシ目として挙げられるのが、

「心理的な抵抗線105円や、2014年10月安値105.19円、トランプ当選前日の2016年11月8日NY終値105.18円」

で、かろうじてそれらをキープしている状態です。

日経平均のフシ目として挙げられるのが、

「2015年高値(6月24日)20,952円、直近安値(2月14日)20,950円、200日移動平均線21,185円(本日時点)、心理的抵抗線21,000円」

で、200日線と21,000円は本日割り込んでいるものの、前者2つはかろうじてキープしている状態です。

ドル円、日経平均ともに、「ここがキープできないと一段安」という状況です。

 

先週末に発表された2月27日時点のシカゴ筋ポジション(非商業ベース)ですが、円ショートが2月20日時点の153,972枚から141,190枚へ大幅減少、円ロングが45,634枚から44,539枚へ微減となり、差し引きのネット円ショートは108,338枚から96,651枚へ大幅減少となりました。やっとポジション整理が加速してきた印象で、先週後半のドル円下落局面でポジション整理は更に進んだと想定されます。前回のコメントでご紹介した「非報告ベース」のポジションは、ネット円ロングが11,015枚から8,075枚へ減少したものの、ネットでの円ロングのままで、円売りエネルギーは残っています。

 

トランプ大統領の保護主義的関税政策に関する発言が、これまでのように口先介入がメインの「演出」に過ぎないこと(今回は3月13日のペンシルベニア州下院補欠選挙を意識か?)、3月21日FOMCでインフレ加速リスクは未然に防止することが強調されること、の2つにより、市場は一旦は落ち着きを取り戻す可能性が高いと思われます。その後は、市場変動が実体経済に悪影響を及ぼすかどうか、に市場の注目点が移行するでしょう。

 

追記:その後日経平均は一時20,937円まで下落し、チャートポイントを下回りましたが、「誤差の範囲」であること、および引け値では21,000円を回復していることから、下抜けとは判断されず、ドル円も日経平均もトレーディング・バイの機会という見方を継続します。先週の米国株は下落となったものの、FAAMGを初めとする「上昇相場を牽引してきた大型成長株」は下落を主導するどころか底堅い株価動向となっており、本格下落相場の様相を呈していないこともトレーディング・バイという見方の支援材料です。