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2018年3月7日のマーケット・コメント

まさかのコーン米国家経済会議委員長辞任-しかし動揺は一時的か

 

日本時間の今朝、米国のコーン国家経済会議委員長の辞任が伝えられました。コーン委員長はライアン下院議長らと同様に、鉄鋼とアルミに関税を課すトランプ大統領の方針に反対を表明していましたので、政権内に反対派がいなくなってしまったことで、一気に強攻策が実現に向かうのではないかという懸念から、ドル円、株ともに急落となりました。関税への反対意見が多く、実現の可能性は高くないことを織り込んで、月曜日、火曜日と米国株は反発していましたが、現在の米国株の時間外先物は今週の上昇分をほぼ消す水準での推移となっています。

 

ただ、これが新たな下落波動の始まりだとは思えません。鉄鋼・アルミを生産する米国企業の売り上げよりも、自動車メーカー、航空機メーカーなど鉄鋼・アルミを原材料として使用する企業の売り上げの方がはるかに多く、関税導入は米国経済全体にとってネガティブなことは明らかであり、最終的に関税が導入されるかは疑問だからです。前回のコメントでもご説明したとおり、3月13日のペンシルベニア州下院補欠選挙に向けての、トランプ大統領の「演出」の可能性が高いと依然として考えます。

 

また、もし鉄鋼・アルミへの関税導入が実現したとしても、それ以外の中国製品などその他の領域への広がりを見せなければ、全面的な貿易戦争は回避されるとの見方が広がり、市場の大幅なリスク回避の動きは鎮静化すると思われます。まずは今晩の米国市場の動向を見る必要がありますが、米国株が先週金曜日の安値を下回らない程度の下落に留まれば、「2月の安値高値の間での値動きの荒い相場展開」という従来の見方が維持できます。

 

ドル円は105円前半までの下落で止まることが重要です。「心理的な抵抗線105円や、2014年10月安値105.19円、トランプ当選前日の2016年11月8日NY終値105.18円」に加えて、3月2日安値105.23円がフシとして加わり、チャートのフシとしてはかなり強いものになりました。105円台前半では下げ止まると思われる一方、もし下抜けると最低でも103円台、最大100円までの下落余地ができてしまいます。その場合は日本株も下抜け確実でしょう。