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2018年4月6日のマーケット・コメント

トランプ大統領1000億ドル追加対中関税支持の意図

 

日本時間の今日午前8時ごろ、「トランプ大統領が、1000億ドル規模の追加対中関税を指示」という報道があり、米国株先物は時間外で急落、日本株も昨日の米国株上昇を無視する展開となりました。明らかに、一昨日の中国の500億ドル規模の報復関税発表を受けての動きです。これは明らかに、対中貿易政策交渉を米国優位に進めるための「威嚇射撃」と考えられます。その理由は以下の2点です。

 

まず、米国が対中貿易赤字ということは、米国が中国から輸入する金額が中国が米国から輸入する金額よりも大きいことを意味します。2017年の米国の対中貿易赤字は3,752億ドルでした。つまり、中国がいくら報復関税で対抗しても、貿易赤字分の3,752億ドル分、中国の米国からの輸入額よりも米国の中国からの輸入額が多いため、その分は報復しきれず残ります。

 

第2に、先日発表された中国による500億ドル規模の対米報復関税ですが、品目の中に米国からの最大規模の輸入品目である大豆が含まれていました。米国から輸入される大豆は、ほとんどが家畜用の高タンパク飼料として使われますが、代替品がない上に米国以外の国からの供給では量がまかないきれないのです。このため、中国が実際に米国産大豆に高関税を課すと、中国国内での高タンパク資料が値上がりし、豚肉を中心に家畜肉類の価格上昇につながります。豚肉は中国の食卓に必要不可欠な食材で、政府の政策により値上がりとなれば国民の反発は必至です。

 

つまりトランプ大統領のメッセージは「報復できるものならやってみろ。まだ、こちらが優位だということがわからないのか。」ということです。最初に相手を威圧して優位に立ち、交渉を進めて行く、というトランプ大統領お得意のパターンであり、落としどころは米国優位な米中2国間貿易協定の締結でしょう。それにより、米国企業や米国経済が悪影響を受ける事態になるとは考えにくく、米国株先物が大幅下落したことには違和感があります。