シカゴ筋ポジション変化はドル買い目線を示唆
先週末に発表された4月24日時点のシカゴ筋ポジション(非商業ベース)ですが、円ショートが4月17日時点の46,842枚から58,670枚へ増加、円ロングが49,433枚から59,253枚へ増加となり、差し引きのネット・ポジションは2,591枚のネット円ロングから583枚のネット円ロングになりました。
ロング、ショート両サイドでポジションが増加となったわけですが、この間のドル円は17日時点の107円台前半から24日時点の108円台後半へ、ほぼ一貫して円安ドル高進行となっていました。つまり、円ショートはドル円が都合のよい方向に動く中、順張りで、円ロングはドル円が都合の悪い方向に動く中、逆張りで、それぞれポジションを積み上げた、ということです。
私が独自に推計している平均簿価は、円ショートが111.42円、円ロングが109.12円ですので、現在の109円台半ばではどちらも評価損となっています。この推計平均簿価の正確性には疑問符がつくとしても、少なくとも直近に増やしたポジションは、円ショートは評価益、円ロングは評価損になっていることは間違いありません。加えて、以前からご説明している通り、日米金利差によるキャリー(F/X取引では「スワップ・ポイント」と呼ばれるもの)は、円ショートが「貰い」であるのに対し、円ロングは「払い」です。
円ショートがポジティブ・キャリーを貰いながら直近ポジションは評価益なのに対し、円ロングはネガティブ・キャリーを払いながら直近ポジションは評価損、ということであり、ポジション継続に対する耐久性は、明らかに円ショートのほうが強いと思われます。ドル円のチャート上のフシは2月前半の戻り高値や200日移動平均線がある110円近辺ですが、上記のポジション状況から考えると、110円を越えて円安ドル高進行継続となる可能性もあります。
結論としては、
1.110円近辺でドル・ロングを少し軽くするのは問題ないが、すべてのポジションをクローズすべきではない。
2.ドルは押し目買いの目線で望むべき。外部環境に大きな変化がなければ、押し目余地は108円程度。
3.事前に目標価格を設定して、見切りでのドル・ショートは危険。