ミョウジョウ・アセット・マネジメント株式会社の運営する会員制金融情報サイトです。

2018年6月15日のマーケット・コメント

ECB会合&日銀決定会合終了

 

昨日のECB会合では、市場の一部で予想されていた通り、量的緩和は10月から減額し12月で終了、と出口のスケジュールが示されました。ただ、利上げの時期について少なくとも2019年夏までは行なわないとされ、2019年夏からの利上げ開始が市場コンセンサスだったため、ハト派的と受け止められ、発表を受けてユーロは対ドルで急落しました。米ドルが全面高となる中、ドル円も110円台後半まで上昇しました。

 

本日の日銀決定会合は、ほぼ全員の予想通り政策変更は何もありませんでした。15時30分からの黒田総裁の会見でサプライズがあるとは思えず、やはり予想通り市場変動材料にはならなかった、という結果に終わりそうです。

 

ドルインデックスは、現在94.96と直近高値(5月29日)の95.025や昨年10月27日の高値95.150にあと少しという水準です。昨年10月27日前後にはドル円は114円台前半だったので、ドル円にはまだ3円程度の上昇余地がある、という見方も可能ですが、昨年のドルインデックスの変動要因が米国長期金利だったのに対して、今年4月以降のドルインデックスの上昇は新興国通貨の大幅下落であり、状況が違います。

ドルインデックス20180615

米国長期金利が変動要因であれば、長期金利は常にゼロの円に対してもドルは素直に変われますが、新興国通貨下落は市場のリスクオフ反応を引き起こし円買いに繋がるため、ドル円はドルインデックスの上昇と素直にリンクしないのです。事実、ドルインデックスが直近高値を付けた5月29日にかけては、ドル円は108円台前半までの下落の動きでした。

 

当面「円売り材料」は出てくるとは思えず、今週の各種イベント終了で、次に出てくるのはドル円の下落要因である可能性が低くない、と考えられるため、「ドルショートはお勧めしないが、現状の110円台後半でドルロング・ポジションは軽くして次の押し目を待つことを推奨」というスタンスを維持します。想定する安値めどは108円近辺です。逆に、もし113円を越えていくようなら、ドルショートを始めてもいいと思います。ただしドルショートは保有(キャリー)がコストになるので、保有期間は短期で臨むべきです。