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2018年6月4日のマーケット・コメント

ドル円は引き続き押し目買い姿勢継続

 

先週金曜日に発表された米国雇用統計ですが、非農業者部門雇用者数(19万人増の予想に対し実績22.3万人増)、前年比平均時給(同2.6%増加に対し2.7%増加)、失業率(同3.9%に対し3.8%)ともに予想を上回る強い内容でした。これを受けて、米国株上昇、米国10年国債利回り上昇(債券価格下落)、ドル円上昇と、いわば教科書通りの反応となりました。米国10年国債利回りは上昇したと言っても2.90%と、警戒ラインの3%は下回っており、いわゆる「適温状態」です。新興国から米ドルへの資本逃避の支援材料だと言えるでしょう。

 

先週末に発表された5月29日時点のシカゴ筋ポジション(非商業ベース)ですが、円ショートが5月22日時点の76,603枚から71,218枚へ減少、円ロングが73,836枚から63,182枚へ減少、その結果ネットポジションは2,767枚の円ショートから8,036枚の円ショートとなりました。5月22日から5月29日のドル円の値動きは111円台でピークアウトして108円台前半までの大幅下落でしたから、円ショート筋は利食いないしは108円台では損切り、円ロング筋はいわゆる「やれやれ」の損切りないしは108円台では利食い、ということが想定されます。

 

以下の理由から、ドル円の押し目買い姿勢を継続します。

1.経常収支赤字の新興国から米ドルへの資本逃避の動きは今後も継続することが見込まれる。

2.今回の雇用統計で、米国経済の堅調さが確認され、6月FOMCでの利上げは一層確実になった。

3.米朝首脳会談が円高材料になるとは思えない。

4.原油価格はピークアウトから調整に向かっている可能性が高く、そうであれば米国での過度なインフレ懸念は後退し、ドル安要因とはならない。

5.直近のドル円調整局面で、チャートポイントの108円や75日移動平均線(現在107.82円)を割り込まなかったことで、底堅さが確認された。

 

引き続き目先の最大のリスク要因は、通貨下落が続いている新興国で、経済的悪材料が顕在化することです。その場合株式市場は下落が予想されますが、各国の下落率は全体に占める世界景気敏感業種のウェイトに左右されるでしょう。日本株はそのウェイトが高い市場の一つ、米国株はそのウェイトが低い国の一つです。また、その場合、資本逃避が加速することになりますので、米ドル高要因です。初期に、資金逃避で円買い(ドル以上に円が買われ、ドル円下落)、という反応になる可能性はありますが、一時的なものに留まるでしょう。