2018年 7月 12日 (木) |
日本株反発だが内容に危うさ
本日の日本株は反発しています。昨日の米国株は下落しましたが、下落幅は昨日の東京時間の時間外先物と同程度でありすでに織り込み済みで、ドル円が112円台まで上昇していることを受けての日本株反発、ということですが、内容を見ると違和感があります。東証33業種で上昇率が高い順に挙げると、水産・農林、情報・通信、医薬品、電気・ガス、食料品と、完全に内需・ディフェンシブ主導で、ドル円上昇とは整合性が取れません。また、下落率の高い順に挙げると、鉱業、石油・石炭、非鉄、繊維、海運、機械、鉄鋼、電気機器となっており、原油価格の急落を受けて資源関連が下落しているほか、本来であればドル円上昇に反応するはずの機械と電気機器が入っています。
中国株が反発で始まってから一段高したことでもわかりますが、
1.目先の下落警戒から先物をショートしていた投資家が、中国株堅調を受けて買い戻しを入れている。
2.ファンド・マネージャーは依然として、米中貿易戦争による中国経済減速からの悪影響を懸念して銘柄入れ替えをしている。
という2つの動きの複合だと思われます。
すなわち、下落を主導してきた銘柄は反転することなく下落基調を続けており、中国株が下落に転じれば再び先物に売りが入り、相場全体は下落しやすい状況にある、ということであり、下落に対する警戒感を持続させなければならないでしょう。