ドル円ポジションは両サイドに厚み
先週末に発表された7月10日時点のシカゴ筋ポジション(非商業ベース)ですが、円ショートが7月3日時点の88,720枚から100,395枚へ2週連続での10,000枚超の大幅増加、円ロングが49,990枚から60,563枚へこちらも大幅増加となり、その結果ネット円ショートは38,730枚から39,832枚へ微増となりました。ネット円ショートは6月19日に35,562枚(前週比40,614枚の超大幅増加)となって以来、30,000枚台半ばから後半での推移となっていますが、円ショート、円ロング両サイドで厚みが増してきました。なお、円ショートは3月13日以来の高水準となっています。
私の独自の推計では、円ショートの平均簿価は110.86円、円ロングの平均簿価は109.78円ですので、円ショート筋は含み益を持ちながらのポジション拡大、円ロング筋は含み損を抱えながらのポジション拡大ということになります。ポジション状況に余裕があるのは、当然円ショート筋であり、今後予想される展開は以下の通りです。
1.ドル円の更なる上昇により、円ロング筋は損切りせざるをえなくなり円ロングポジション減少。円ショート筋は順張りでポジション拡大させ、ポジション増加。
2.ネット円ショートは大幅増加し、ドル円下落材料に対して円ショートポジション解消の動きが広がり、ドル円は大幅下落。
3.円ショート、円ロングともにポジションが軽くなり、再スタート。
ドル円が110円台から一気に112円台に上昇したのは7月11日(7月10日よりも後)だったので、上記の1.はすでに起こった可能性はあります。112円台でピークアウトするのか、もう少し上昇してからピークアウトするのか、どちらもありえますが、ピークアウト後のドル円下落を狙ってドルショートするのではなく、ピークアウトして下落してからの押し目でドルロングすることを狙うべき、との姿勢に変化はありません。ただ、最も浅い場合、押し目が110円トライ程度で終わる可能性がありますので、108円トライまでの押し目を待つのではなく、110円トライの水準からゆっくり買い下がり始めるべきでしょう。
日本株は3日連続で先物主導の上昇となっており、3日間での上昇幅は日経平均で900円に迫ります。今日も中国依存度の高いFA関連銘柄は大幅下落となっており、相場付きに変化は見られないものの、3日で900円上昇する理由も見当たらず、正直言って不気味です。明確に上値をつけてボックスの動きに回帰するまでは、様子見すべきでしょう。