フェイスブック株急落の波及効果は?
25日の引け後にフェイスブックが4-6月期業績発表を行ないましたが、売り上げの伸びが市場予想に届かず、同社CFOが売り上げの低い伸びは当面継続しそうだと発言したことを受け、フェイスブック株は時間外取引で20%以上の急落となっています。フェイスブックの昨日引け値での時価総額は約6,300億ドル(約70兆円)ですので、1日で1,300億ドル(約14兆円)の時価総額が失われることになります。日本で時価総額14兆円以上の銘柄は、時価総額約24兆円のトヨタ(7203)1社しかないことを考えると、いかに巨額かがわかります。
このフェイスブック株の急落が市場に及ぼす波及効果について、以下列挙します。波及効果の規模が小さいものから大きなものの順番になっています。
1.あくまでもフェイスブック個別の問題であり、市場に及ぼす波及効果はない。
2.高成長を期待され、非常に高いバリュエーションで取引されているインターネット関連銘柄全般が売られる。(非常に高いバリュエーションの修正)
3.インターネット関連に留まらず、グロース株全般がバリュエーション修正により売られる。その場合、バリュー株への資金シフトも起こるため、バリュー株は買われる。
4.米国株式市場全体のリスク・プレミアムが上昇する(米国株式市場全体のバリュエーションが切り下がる)かたちで、米国株全体が売られる。
以上のうち、1.に留まる可能性も4.まで発展する可能性も低いと思われ、問題は2.までで留まるのか、3.まで発展するのか、だと思います。昨年年初からグロース株とバリュー株の格差が開き続けてきた背景は、世界景気、特に新興国景気減速懸念であり、その懸念は以前存在するどころか、むしろ懸念は高まってきていることを考えると、3.に発展する可能性は限定的だと思います。結論としては、波及効果は2.で留まる、と予想します。
なお、もし本日の米国株市場で、フェイスブック株が寄り付き安値で日中買われ、他のインターネット関連銘柄の株価動向にまったく波及しないようであれば、1.に留まる可能性が浮上します。