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2018年8月22日のマーケット・コメント

本日の日本株市場に感じる違和感

 

昨日米国でトランプ大統領にとって不利な情報が2つ出ました。一つは大統領選挙期間中に顧問弁護士だったマイケル・コーエン被告が、トランプ大統領からの指示で女性に口止め料を支払い選挙資金法に違反した、と証言したことです。もう一つは、大統領選挙での選挙対策本部長だったポール・マナフォート被告に、税金詐欺や銀行詐欺など8つの容疑に対して有罪評決が下されたことです。これらを受けて米国株時間外先物は、昨日の上昇をちょうど消す程度の下落となっています。

 

それにもかかわらず、本日の日本株は朝方こそ下落したものの、その後は強い動きとなっています。内容は景気敏感株が全般的に強く、内需・ディフェンシブが全般的に弱い、いわゆる典型的なシクリカル・シフトの動きとなっています。ドル円は昨日比で多少上昇してはいるものの、それがシクリカル・シフトの背景にあるとは思えません。また、中国株は下落しています。本日の日本株の景気敏感株主導での強い動きの背景が見当たらず、違和感を持ちます。

 

可能性としては以下が考えられます。

1.トランプ大統領に不利な情報が出たことを受けて、トランプ政権の勢力が弱まり、米中貿易戦争などが早期解決されることを先取りした。

2.トランプ大統領に不利な情報が出てもドル円が底堅いことを受け、ファンド・マネージャーの景気敏感株買い(あるいは買い戻し)、内需・ディフェンシブ売り(あるいはカラ売り)の動きが広がった。

 

いずれにせよ、持続性は高いとは思えず、景気敏感株、特に業績の中国依存度の高い景気敏感株に対する弱気姿勢を継続します。日経平均は依然として22,000-22,500円を中心とする21,500-23,000円のボックス継続、抜けるとすれば下、という見方も継続します。