ミョウジョウ・アセット・マネジメント株式会社の運営する会員制金融情報サイトです。

2018年8月23日のマーケット・コメント

FOMC議事録、米中貿易戦争、日本株動向など

 

昨日、8月1日のFOMC議事録が発表されました。議事録では「入手できるデータが引き続き現在の経済見通しを支えれば、緩和政策をもう一歩解除するのが近く適切になる可能性が高いことを多くの参加者が示した」とされ、経済情勢に大きな変化がない限り今年年内あと2回(9月と12月)の利上げを行なう方針であることが示されました。9月26日のFOMCまではあと1ヶ月であり、その間に経済情勢が激変するとは思えず、9月の利上げは確実と言えるでしょう。24日ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演内容も、今回の議事録に沿い、斬新的な利上げ継続というものになると思われます。110円近辺からのドル円買い下がりスタンスを維持します。

 

米国による合計160億ドルの中国製品に対する制裁関税第2弾が今日発動される予定で、中国は前回の340億ドルの際と同様に即時に同額の報復関税を発動すると見られます。問題はこの後です。米国は制裁関税第3弾として、合計2,000億ドルの中国製品に対する関税を検討しています。9月6日にはパブリック・コメント(民間からの意見聴取)が締め切られ、発動されるとすればその後です。中国は米国からの輸入全額1,300億ドルのうち、すでに500億ドルは報復関税の対象としている状況で、米国の2,000億ドルに対しては600億ドルの報復関税を打ち出していますが、金額という点ではもはや同額で対抗できなくなります。中国の今後の対抗策は不透明です。

 

日本株ですが、背景不明だった昨日のシクリカル・シフト(景気敏感株買い&内需・ディフェンシブ株売り)は、本日早くも逆回転しています。昨日の動きの背景は結局不明なままですが、持続性はないとの判断が本日確認され、日本株に対する見通しも維持します。