ドル円は一旦利食いが無難か
昨日、米国の4-6月GDP成長率確報値が、速報値の年率+4.1%から年率+4.2%に上昇修正されたことや、メキシコとすでに妥結したNAFTAにカナダが早期に加わることに対する期待などから、米国株は続伸し、NASDAQとS&P500は史上最高値を更新しました。ドル円も111円台後半に上昇しました。
米国債券は下落する場面もありましたが、結局ほぼ横ばいで引けました。24日ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演で、今回の利上げの終着点が中立金利である、と示されたことにより、FOMC参加者が予想する中立金利の平均値である2.9%を越えて、債券を売りにくくなったことが背景にあるでしょう。また、投機筋の米国債ショート・ポジションが、依然として過去最高水準にある、という需給要因も影響しているものと思われます。
米国長期金利の上昇余地が限定的であれば、米ドルの上昇余地も限定的ということになり、また日本発の円安要因も目先想定できないことから、ドル円の更なる上昇余地も限定的だと思われます。110円近辺で買ったドルは111円台後半で一旦利食い、再び110円近辺からの買い下がり姿勢に戻るのが無難だと思います。
日本株ですが、予想通り「日経平均23,000円の壁」は重く、米国株の上昇を受けても足踏み状態が続いています。中国株は不安定な状態が続いていることに加え、米国株もかなりの楽観を織り込んだ状態にあると思われ、下落リスクが懸念されます。株下落はドル円下落に繋がるため、その観点でもドル円は一旦利食いが無難だと判断されます。