米雇用統計&シカゴ筋ポジション-状況に大きな変化無し
先週金曜日に7月の米国雇用統計が発表されました。非農業部門雇用者数変化は、事前予想の19.3万人増加に対して15.7万人増加に留まりました。しかし7月は、米国トイザラスの閉店に伴う約3.2万人の雇用者減少があった影響があり、市場は予想よりも弱い数値に反応しませんでした。失業率は事前予想と同じ3.9%(前月は4.0%)で、市場は依然として9月26日FOMCでの今年3回目の利上げ決定をメインシナリオとして動いています。
先週末に発表された7月31日のシカゴ筋ポジション(非商業ベース)ですが、円ショートが7月24日時点の123,762枚から116,473枚へ減少、円ロングが49,993枚から48,016枚へ小幅減少し、ネット円ショートは73,769枚から68,457枚へ小幅減少となりました。この間のドル円は111円台を中心とするもみ合いで、基本的に状況は変わっていないといえます。その後本日に至るまでもドル円に大きな動きは見られていないことから、円ショートの買い戻しによる円高進行エネルギーは残ったままだと言えます。ドル円は、少なくとも110円トライ程度までの押し目を待って買いエントリーしたい、というスタンスに変更ありません。
日本株はまさに夏枯れという状況です。業績発表は続いておりますが、これまでの発表内容は総じて意外感の少ない内容であり、良くも悪くも相場を動かす材料にはなっておりません。やはり、相場が大きく動くとすれば、中国株や中国経済動向の変化がきっかけになりそうです。上海総合指数は、現在2,719.38と7月6日の直近安値2,691.02が視野に入る水準まで下落しています。2016年の安値は1月27日2,638.30と2月29日2,638.96であり、その水準を下回ると下値目処がなくなります。また、人民元は現在6.8271ですが、先週金曜日には6.8972までの下落があった後、明らかに当局の介入が入りました。2016年12月16日の安値は6.9649でしたので、当局は6.9を防衛ラインと考えていることが伺えます。
逆に言うと、人民元が6.9を割り込んで下落してきたら、いよいよ状況の一段の悪化が伺われ、その際には中国株も安値更新するでしょう。その時は日本株も、中国関連銘柄の下落を主導に、下抜けする可能性が高いと思われます。ドル円の押し目がくるのも同じタイミングだと想定されます。