中国関連銘柄への弱気姿勢を確認
9月14日から始まった、先物の買い戻しと直近の株価下落率が大きかった現物株への買い戻しの、2つの買い戻しが主導する日本株の反発は、結局先週金曜日まで続きました。大きな懸念材料は米中貿易戦争の中国経済に対する悪影響だったため、中国関連銘柄は株価下落が大きく、先週の買い戻し主導相場では株価が大きく反発しました。しかし、中国経済を取り巻く状況は、何も好転していないどころか悪化が続いており、中国関連銘柄への弱気姿勢をあらためて強調します。
本日、大和証券の機械セクターのアナリストが「逆風が強まりつつある中国の設備投資需要」というレポートを発行しました。内容としては、上海で開催された中国国際工業博覧会に出席した同アナリストが、現地で設備投資関連各社からヒアリングを行なった結果、6月頃から設備投資関連各社の受注が落ち込み始めたが、大半の企業で足元でも減少傾向が続いている、というものです。具体的に名前が上げられた日本企業は、ファナック(6954)、ナブテスコ(6268)、不二越(6474)、安川電機(6506)、ミスミ(9962)、SMC(6273)で、SMC以外は受注の減少傾向が続いている、とされました。
過去の過剰設備投資の反動で、設備投資サイクルがピークアウトから減速に転じてきたことが背景にあり、更に今後は米国による制裁関税の影響が加わる、という格好です。米国による制裁関税は、第1弾の340億ドルが7月6日発動、第2弾の160億ドルが8月23日発動、第3弾の2,000億ドルが9月24日発動ですから、7-9月期に影響が出始め、10-12月期に影響が広がっていく、ということが想定されます。
つまり、4-6月期業績には制裁関税の影響はまったく含まれず、4-6月期業績発表のあった7月終わりから8月初めごろにも、ほとんど影響は顕在化していなかった、ということです。1ヵ月後に発表される7-9月期業績から影響の顕在化が始まり、会社側も影響の広がりを予想できるようになりますので、下期の見通しは慎重にならざるを得ないでしょう。悪影響を想定して株価は下落し、買い戻しで一旦株価は反発していますが、今後は実際の業績悪化が顕在化することで、あらためて株価下落することが想定されます。