日本電産大幅下方修正発表
本日引け後に、日本電産(6594)が通期業績見通しの大幅な下方修正が発表されました。内容としては、売り上げを1兆6,000億円から1兆4,500億円に引き下げ、営業利益を1,950億円から1,450億円に引き下げです。前期実績は売り上げ1兆4,881億円、営業利益1,668億円でしたから、増収増益予想から一転減収減益予想となりました。下方修正の背景は「米中貿易摩擦により、需要が予想以上に落ち込んでいる」こととされました。本日午後6時30分から会見を行なうとのことなので、その場でより詳しい背景説明がされると思います。
上期下期に分解して、下期の状況とこのまま行くと来期予想はどうなるかを考えます。今期上期の実績は、売り上げ7,776億円、営業利益982億円でしたから、下期の見通しは売り上げが8,224億円から6,724億円(-18%)、営業利益が968億円から468億円(-52%)にそれぞれ引き下げられたことになります。つまり、下期だけで見ると営業利益は従来予想の半分になる見込みということです。
「米中貿易摩擦」は今後も続き、直接的悪影響を受ける業者だけではなく、間接的悪影響(直接的悪影響を受ける業者からの需要減少により受ける悪影響)の顕在化はむしろこれから本格化することが見込まれるため、来期の事業環境は下期と同等以下と考えるのが妥当でしょう。さらに、2月中までに米中の貿易合意がなされなければ、2,000億ドルの中国製品に対する関税率が10%から25%に引き上げられ、悪影響はより大きくなります。
来期予想ですが、単純に今下期予想を2倍にすると、売り上げ1兆3,448億円(7%減収)営業利益936億円(35%減益)となります。営業利益の実績は、2014年度851億円、2015年度1,109億円、2016年度1,175億円でした。その時期の株価は8,000円を中心に6,000-10,000円程度の推移でしたから、今回の下方修正により株価がその水準まで下落してもおかしくありません。