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2019年1月22日のマーケット・コメント

日本株もドル円も戻り達成か

 

先週金曜日に米国株が大幅続伸したことを受け、昨日の日本株は大幅上昇で始まり、日経平均は一時20,893円と21,000円トライと言える水準まで上昇しました。しかし「米国と中国の交渉において知財分野での進展はない」との報道を受け、前場途中に200円ほど急落し、21,000円レベルを越えられずに跳ね返された格好となりました。昨日は米国市場は休場でしたが、本日の日本株は前場もみ合ったあと、後場に入って中国株の下落や時間外の米国株先物の下落を受けて下げてきています。ドル円も110円を越えられない展開となっています。

 

テクニカル分析の基本の一つとして「下落相場で、サポートラインを明確に下回るまで下落したら、それまでのサポートラインが抵抗線になる」(上昇相場では逆)という法則があります。今回で言えば、日経平均では21,000円、ドル円では110円がそれに当たります。日経平均が21,000円、ドル円が110円を越えられずに再び下値模索の動きに入るとすれば、法則どおりでありまったく違和感ありません。

 

個別株の動きを見ても、昨日まではまだ1月7日から断続的に続いた買い戻し色(明らかにカラ売りの買い戻しにより株価が大きく上昇する銘柄が散見される状態)が残っており、ピークアウト感がなかったのですが、本日はその買い戻し色がすっかりなくなっており、ピークアウト感があります。米国株が更に続伸して、今週中にもう一度21,000円、110円トライがある可能性は否定できませんが、もしそれがあったら絶好の売り場です。また逆に、日経平均が25日線(現在20,512円で今後ほぼ横ばい)を明確に下回ってきたら、そこも売り機会です。ただしその場合は、アヤ戻しがあった場合に売り増せる体制で臨みましょう。

 

米中貿易交渉ですが、事前の想定通り「中国は米国からの輸入を増やすことを約束するが、知的財産関連では妥協しない」という結果になりそうです。問題は予想されるこの結果を受けて、米国が3月1日から2,000億ドルの中国製品に対する関税率を10%から25%に引き上げるかどうかですが、私の予想は「10%に据え置き」です。理由は2つあります。一つは、対中強攻策を受けて10-12月期に米国株が大幅下落したことで、トランプ大統領はこのタイミングで25%に引き上げ、それが原因でまた米国株が大幅下落したら支持率や来年の選挙の勝敗に関わる、と考えていると思われることです。二つ目は、ここで25%に引き上げというカードを切るよりも、そのカードを温存して将来もっと効果的な時期に切るべきだ、と考えていると思われることです。

 

ただ、市場コンセンサスもすでに「25%への引き上げは見送り」となっており、もはや米中貿易交渉は相場の変動要因にはならないでしょう。変動要因になるとすれば、上記予想が外れて、貿易でも米中決裂で25%に引き上げられる見通しとなるネガティブ・サプライズの場合です。ただそれが判明するのは2月後半であり、やはり目先の市場変動要因は企業業績発表だという見方に変更ありません。