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2019年1月7日のマーケット・コメント

日本株は今週戻りを試す展開か-戻りで売りポジションを取る準備を

 

先週金曜日に発表された米雇用統計は、非農業部門雇用者数変化は事前予想の18.4万人増を大幅に上回る31.2人増と、利上げ路線継続を示唆する数値でした。しかし、その後行なわれたパウエルFRB議長の講演で「利上げは状況次第で柔軟に対応する」と発言し、市場混乱が収まらなければ3月の利上げ見送りも検討することが示唆され、米国株はこの発言を好感し大幅上昇となりました。

 

これを受けて本日の日本株も大幅上昇となっており、日経平均は12月27日の戻り高値20,212円を越える動きとなっています。直近高値22,699円から直近安値18,949円の3分の1戻しの20,199円も越え、目先は半値戻しの20,824円が戻り目処と考えられるでしょう。ただ注意が必要なことは、以前もご説明したとおり、下落相場の中の戻りは「値幅は出るが期間は短い」ということです。戻りを主導するのはカラ売りの買い戻しであり、リスク解消の行為(カラ売りの場合は買い戻しがリスクの解消)には時間をかけない、ということがその背景です。

 

また、下落相場の戻りの特徴として、政策や政策期待が戻りのきっかけになる(短期投資家の買い戻し主導)が、その後実体悪化が顕在化して売り直される(中長期投資家の戻り売り主導)という展開になりやすいということもあります。今回で言えば、10-12月期業績発表が実体悪化の顕在化になると思われ、1月後半は売りなおされる可能性が高いと考えます。

 

前回のコメントで、

「月前半は戻ったら売り、月前半に戻りがなければ業績発表次期までには売りポジションを取る」

とご説明しましたが、先週金曜日の米国株の戻り、それを受けての本日の日本株の戻りで、今回はより具体的に、

「今週中に(1月11日オプションSQに向けて)戻り目処である半値戻り20,824円近辺まで戻ったら売り、今週中にその水準まで戻らなかったら来週中には売り」

とします。ちなみにあまり深い意味はありませんが、昨年12月はSQの前日が戻り高値となり、その後大幅な下落となりました。