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2019年1月8日のマーケット・コメント

やはり日本株の買い主体は買い戻し

 

昨日、米国株が続伸したことやドル円が上昇したことを受け、本日の日本株も続伸の動きとなっています。個別銘柄の株価動向を見ると、やはり想定通り主な買い主体はカラ売りの買い戻しであることが伺えます。売買代金上位で上昇が目立つ(5%以上の上昇)銘柄を挙げると、ソフトバンクグループ(9984)+5.7%、東海カーボン(5301)+14.9%、サンバイオ(4592)+11.2%、昭和電工(4004)+6.4%、オリンパス(7733)+8.5%、太陽誘電(6976)+6.0%、となっています。このうち、ソフトバンクグループは米国ハイテク株の上昇、サンバイオは個別の好材料、オリンパスは証券会社2社の格上げをそれぞれ受けての上昇ですが、それ以外の銘柄はどれもカラ売り報告上位に入っている銘柄です。カラ売り報告上位の銘柄では他にも、千代田化工建設(6366)、SUMCO(3436)、DMG森精機(6141)なども上昇しており、カラ売り銘柄への買い戻しが広範に入っていることが伺えます。

カラ売り報告20181228

逆に売買代金上位で株価が下落している銘柄を挙げると、資生堂(4911)-2.5%、セブン&アイ(3382)-2.6%、花王(4452)-2.2%、JR東日本(9020)-1.9%、コーセー(4922)-3.5%、ピジョン(7956)-4.3%、サントリー食品(2587)-3.5%、ユニチャーム(8113)-4.1%と、昨年市場を大きくアウトパフォームした優良内需・ディフェンシブ銘柄がずらりと並んでいます。その背景は次のように考えられます。

1.それら銘柄にはカラ売りがあまり入っていないため、買い戻しも入らない。

2.中長期外人投資家の組み入れが多い銘柄で、まだ株価は過去1年間で見れば下落余地が大きく見えるため売り対象になりやすい。

3.いわゆる「最小分散(スマートベータ)投資」での投資対象であり、国内外の年金など中長期投資家が配分を減らしてきている。

 

以上の結論としては、買い主体は短期投資家がカラ売りの買い戻しで、中長期外人投資家は売却姿勢を変えていない、ということになります。以前からご説明しているように、中期下落相場の中の買い戻し主導の戻りは「値幅は出るが短期間で終わる」という特徴があります。今回も今週か来週明けで終了、と見るべきでしょう。昨日のコメントの「今週中に(1月11日オプションSQに向けて)戻り目処である半値戻り20,824円近辺まで戻ったら売り、今週中にその水準まで戻らなかったら来週中には売り」という姿勢を確認します。

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