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2019年10月10日のマーケット・コメント

安川電機(6506)業績発表

 

本日16時に、今回の四半期業積発表のトップバッターとなる安川電機(6506)が、業績発表を行ないました。6-8月期の営業利益は53億円と、3-5月期の72億円から更に26%減少しました。前年同期は133億円でしたので、前年同期比では60%減益です。通期営業利益予想は465億円(前期比6.6%減益)から250億円(前期比49.8%減益)へ大幅下方修正されました。これはコンセンサスの376億円はおろか、私の予想である300億円をも大きく下回る水準です。上期の営業利益実績が125億円でしたので、会社の下期営業利益予想は125億円ということになり、会社は下期も低調な状態が続くとの見通しに変更しました。

 

注目の受注動向ですが、6-8月期の全体の受注は前年同期比13%減、前四半期比6%減でした。3-5月期は前年同期比は17%減でしたが、欧州や中国の持ち直しにより全四半期比では7%増となっていましたが、6-8月期の全四半期比では中国が23%減、欧州が34%減となり、持ち直しは一時的でした。受注に下げ止まりが見られない以上、会社は下期回復シナリオを維持することをあきらめざるを得なかったということでしょう。

 

来期ですが、アナリスト・コンセンサスは485億円と、ほぼ前期並みに戻るという予想になっていますが、今回の会社予想大幅下方修正を受けて、来期予想が切り下がることが想定されることに加え、来期の業績大幅回復の根拠は前回のコメントでご説明したように、過去のサイクル論(それもたった1回の)でしかありません。言い方を変えれば、それしか根拠がない状況だということであり、米中の本格合意がない限り来期業績大幅回復予想は無理がある、と考えるのが自然です。また、目先の米中の本格合意はありえません。

 

信用でも売り超となっており、カラ売りの買い戻しが一巡するまでは株価は下げ渋る可能性がありますが、PERでもPBRでも超割高であり、今後予想業績が切り下がることを考えればカラ売り姿勢継続で問題ないでしょう。なお、年間の営業利益304億円だった2016年度の株価水準は1,000円台から2,000円強でした。