日本電産(6594)業績発表
本日引け後に、業績発表シーズン本格化のトップバッターである日本電産(6594)が業績発表を行ないました。中間期実績は、売り上げは7,500億円という会社予想とほぼ同水準の7,513億円でしたが、営業利益は会社予想の750億円を大きく下回る622億円でした。通期の会社予想は、売り上げは1兆6,500億円で据え置かれましたが、営業利益は1,750億円から1,500億円に下方修正されました。下期のみの営業利益予想は1,000億円から878億円に下方修正された計算になります。
ここで気になるのが会社の下期予想の達成確度です。今下期の予想は売り上げ9,000億円、営業利益878億円ですが、前下期実績は売り上げ7,407億円、営業利益417億円でした。つまり今下期会社予想は前下期実績比で、売り上げ22%増、営業利益111%増(2.11倍)を見ています。明日のアナリスト向け説明会で、この下期急回復予想の根拠がどう示されるかわかりませんが、外部環境に特段の変化は無く、かなり強気な数字に思えます。ただ当社の相対的競争力は保たれてはいますので、優良企業(競争力の強い企業)であれば足元の業績悪化には目をつぶるという現在の株式市場の反応を踏まえると、それにより明日以降の株価が大きく下落するとは思えません。
今週すでに住友化学(4005)、島精機(6222)、日東電工(6988)が通期予想の下方修正を発表していますが、今日までのところは株価の下落反応は限定的です。ただ、企業業績は想定以上に悪化していることは間違いなさそうなので、今後業績発表の数が増えてくれば、下方修正に対する反応は素直に株価下落に変化していくと思われます。言い換えれば、日本電産(6594)のような「優良銘柄」は、それに代わる銘柄が見つからないので売られないが、代わる銘柄のある「普通銘柄」は売られるという展開です。更に言うと、業績発表が進むにしたがって「優良」と「普通」の線引きのハードルが上がっていく(優良と見なされる銘柄数が減っていく)ことが想定されます。