10月30日FOMCで考えられる内容と想定される市場反応シナリオ
10月30日のFOMCで考えられる内容と、それぞれに対して想定される市場反応を以下考察します。上からハト派度合いが強い順になっています。
まず現在の市場コンセンサスですが、市場は90%の確率で10月30日利下げ決定を織り込んでいる一方、年内の織り込み利下げ幅は0.245%ですので、市場のメインシナリオは「10月30日に利下げはあるが、年内の利下げはそれで終了という打ち止め感を出してくる」だと思われます。
1.10月30日に今年3度目の利下げ決定、打ち止め感を出さず12月11日利下げの可能性を排除せず
この場合、市場が想定しているよりもFRBは米国経済の先行きに弱気だ、ということになり、今回の一連の利下げが「サイクル途中の調整」という範囲を超えている可能性がある、という受け止めになるでしょう。この場合に想定される市場反応は、米国株調整、米国債券上昇(金利低下)、米ドル下落です。
2.10月30日に今年3度目の利下げ決定、年内はこれで利下げ終了と打ち止め感を出す
この場合、上記のコンセンサスと全く同じ内容になりますので、想定される市場反応は全市場ともスルーでしょう。
3.10月30日には利下げは決定しないが、高い確率での12月11日に利下げ決定を示唆する
この場合、順序は異なりますが、年内合計の利下げ幅は市場織り込みと同じになりますので、想定される市場反応の規模は大きくはないものの、12月11日利下げが確実とは言えず不透明感が残るため、方向性としては米国株下落、米国債券下落(金利上昇)、ドル上昇でしょう。
4.10月30日には利下げを決定せず、12月11日の利下げも状況次第とする
この場合、タカ派サプライズとなるでしょう。想定される市場反応は、米国株大幅下落、米国債券大幅下落(金利上昇)、米ドル上昇です。
それぞれのシナリオの確率ですが、おそらくFRBの考えは「必要のないサプライズを与えたくない」「前回1996年と1998年の予防的利下げも3回だった」(2.ではなく3.にする理由は希薄。4.は論外。)「継続的な利下げサイクルに入ったと市場に受け止められたくはない」(1.は避ける。)ただしこれまでのFOMC議事録やドットチャートを見る限り、FOMC参加社内でかなり意見の食い違いがあるようです。以上総合して考えられる確率は、2.が60%(パウエル議長の意見)、3.が30%(利下げ反対論者に配慮)、1.が10%(トランプ大統領に配慮)、4.の可能性はほぼゼロ、と思われます。